珈琲を愉しむ時間。

前々回から書いている「旅について」、まだ途中ではありますが、今日はちょっと違うことを書きたいと思います。


この仕事をしていると頻繁に「紅茶と珈琲、どちらも飲むのですが、カップはどうしたら良いのでしょう?」という質問をいただきます。


一説では「ティーカップ、コーヒカップと分けているのは日本だけで、海外では分けていないのですよ」という話も耳にしますが、でも実は、欧米でも、「Differences between tea cups and coffee cups?」という疑問は結構頻繁に持ち上がるのです。

(そもそも私が仕事で仕入れをする時に使う各国のオーダーシートにも各メーカーはティーカップ、コーヒーカップ、デミタスカップ、エスプレッソカップ、チョコレートカップ等、きちんと分けて記載があります。日本で兼用カップと呼ばれているカップは実際のところ、ティーカップとしてカテゴリー分けされています。)


ティーカップとコーヒーカップの違いには諸説ありますが、私が一番納得した説は「温度の違い」です。


私は日本紅茶協会のティーインストラクターでもあるのですが、紅茶について学んだ際にティーカップの形についても妙に納得した覚えがあります。

よく紅茶は「100度に近い沸騰したてで空気を良く含んだ熱湯で抽出すると美味しい」と言われています。

それは紅茶の美味しさには欠かせない成分(タンニン)が80度以上で溶け出しやすいから。

紅茶を淹れる際の器具を全て湯通しして使用するのも、沸騰したお湯の温度から茶葉の成分を抽出するまで(蒸らし時間も含む)の時間を有効に使うため。抽出後のポットだけでなく、蒸らしている間にもティーコゼをかけるのが良い理由も温度を保つためです。

(湯通しをしていないポットに熱湯を注ぐだけで一気に5度も温度が下がってしまうと言われています。)

こうして、できるだけ温度を下げずに抽出した紅茶はもちろん美味しいのですが、人間が火傷をせずに美味しく紅茶を飲める温度は70度くらい。

その為には、正しく淹れた紅茶は抽出直後は熱々なので、少し冷ます為にもカップの開きが大きく紅茶が空気に触れる面積が大きい物が適しているのです。(その間に香りも楽しめるという特典付き。)


一方でドリップコーヒーの適した抽出温度は、浅煎りの豆は90度以上、中・深煎りの豆は85度くらいが美味しく淹れられると言われています。


ドリップコーヒーはドリップ中もポットにCozyをかけて保温するのは難しいもの。

でも抽出時間はそれなりにかかるので(挽いた豆を蒸らす時間、ドリップ時間)、抽出され出来上がったコーヒーは紅茶と比べると低温になることが安易に想像できます。


そこで、抽出されてから飲み頃の70度までになる貴重な時間を有効に使う為、コーヒーカップは注がれたコーヒーの表面に空気が触れて温度が下がらないように、ティーカップよりも背が高くデザインされ、空気が触れる面積が比較的小さくなっているという説に納得がいきます。

やはり物には1つ1つ役割があると妙に納得したタイミングでもありました。


殆どの人にとって、「スペース」とは限られたものだと思います。

私もスペースの有効活用にはちょっと拘りがあって、いくら収納できるからと言っても出し入れが億劫になるような詰め込み方は好きではありません。

そうなると、なかなか日本の住宅事情で色々な種類の食器をデザイン別にフルセットで揃えるのは難しいのかなと思い、以前より「兼用できる食器は兼用して持ち数を減らすこと」をオススメしていました。


しかし、今回のようなケースはどうでしょう?

明確にそれぞれのカップに用途とベネフィットがありますし、紅茶はティーカップで、珈琲は珈琲カップでいただくその拘りにも暮らしを一層楽しむ要素が含まれています。


私もまだまだ珈琲カップ初心者ではありますが、今後また新しい楽しみとして珈琲カップを開拓していきたいなと考えております。


さて、ウェブショップには新たに入荷した選りすぐりのコーヒーカップを掲載いたしました。

この他にも、ご希望の柄がございましたら、お取り寄せも可能でございますので、是非お気軽にお問い合わせくださいませ。


また、都内サロンではTL珈琲倶楽部といって、珈琲好きが集まって色々な豆を試す会を不定期で開催しております。 こちらの部員も募集中でございますので、是非お気軽にお問い合わせください。

TRUE LUXURY

TRUE LUXURY株式会社はお一人お一人がご自分だけのプランを立てるお手伝いをする「ライフプランニング」や「ヨーロッパ陶磁器・ハンドメイド雑貨」オンラインショップ販売を行い、皆様により心地良い暮らしのご提案を致します。本当の意味での「豊かな暮らし」を浸透させ、健康的な消費に繋げることにより、更に良質で洗練された社会となるよう貢献致します。